2013.4.3 〜 5.19
今年のイソヒヨドリの営巣は静かだった。
容姿美麗、美声で知られるイソヒヨドリのオス♪
そのオスが、容姿は美麗ながら寡黙だったのである。”テリトリー宣言”を全くしなかったし、抱卵中のメスへの”応援歌”も無かった!
オスの歌う”応援歌”は「テイキリージー♪」と聞こえる伸びやかな声で、惚れ惚れするというかムナクソが悪くなるというか、度が過ぎるくらいの甘ったるい歌なのだが・・・。
というわけで
オスのテリトリー宣言が無いため、イソヒヨドリが空き家の戸袋で営巣を始めたことを知ったのは
「戸袋に入るのを見た」と連れ合いが教えてくれた4月3日であった。
2007年からイソヒヨドリ営巣の実績がある”空き家の戸袋”
わが家とマンションの間に月極駐車場(5台)があり、3階建のマンションは入居者が一人だけ、駐車場の奥に空き家という静かな環境である。
翌4月4日、メスが巣材を咥えて戸袋に入る現場を私も目撃した。
オスの鳴き声一つなくとも、巣作り・抱卵と順調に進行したらしく・・・
(テリトリー宣言をしないイソヒヨドリのオスなんて見たことがないよ!)
でも〜〜〜
でもでも〜、このオス、縄張り意識は過剰なくらい持っていて
近くに営巣・子育て中のスズメ夫婦がヒナに餌を運ぶのが目障りなのか、激しく邪魔をする!
時にはスズメの巣穴まで追っかけて行き、小さくて入れもしない巣穴に押し入ろうとする。空中戦で追い回す。
スズメも負けてはいず、夫婦して騒ぎ立てるので、どこからか黒白の人相?の悪いネコが来て、駐車場の車の陰から窺う始末・・・。
イソヒヨドリは、スズメに意地悪した報いをこの黒白ネコから受けることになるのだが・・・ 因果応報とはよく言ったものである。
4月24日、スズメのヒナが巣立ち、周囲に静寂が戻った。
5月2日 オス、メスともに餌を咥えているのを発見! ヒナが誕生したのだ♪ 当然あるべきオスの”ヒナ誕生の歓喜の歌”は無かったけれど・・・。
以来、せっせとヒナに餌を運んできた。
バラエティに富んだ餌を見るのが愉しくて、私もせっせと撮影した。
空き家の2階の戸袋と、うちの2階の奥の部屋とは、駐車場を隔ててズーム撮影にちょうど良い距離なのである。
↑ スズメの巣穴(マンションのエアコンの排気筒)の下で、羽毛を膨らませてスズメを威嚇するイソヒヨドリのオス(4月20日撮影)
↑ 戸袋の中のヒナに餌を運ぼうとしているオス
↑ 戸袋の中へ入るところ
↑ 出てきたオス 首もとが白いのはヒナのフンかも。オスもメスも時々フンを咥えて出てくる。
↑↓ メスの出入り
↑↓ カメラを向けた私に、威嚇のポーズのオス。盛大に羽毛を膨らませて凄んでいる!
オスもメスも、巣への出入りを見られることを極端に警戒し嫌ったから、「ひたすら待つ」撮影で時間がかかった。
↑ オスもメスも、光線の加減で羽の色が、微妙に変わる。
↑ お花の形だけど〜 蛾(ガ)かな?
↑ ゲッ! ムカデだよ〜〜〜。
↑ 私を睨んでるメス
↑ 5月15日 ヒナの餌に木苺を運んできたオス
これって、カブトムシみたいな甲虫(こうちゅう)の幼虫かな?
ヒナに与えるため、木苺を咥えてきたメス 5月17日撮影
5月18日 悲劇が起きた!
午前11時過ぎ、外出から帰ると駐車場でイソヒヨドリのオスとメスが地面に下りて騒いでいる。
「どうしたの、ヒナが巣立ったの?」 とのんびり声をかけ終わる暇もあらばこそ、大きく翼を広げたヒナを口に咥えた”黒白ネコ”が車の陰から飛び出して逃げてった。
巣立ちは襲われたその1羽だけだったみたい(ー_ー)!!
次の日の夕方、路地の奥の屋根でメスが「コココ、コココ」と騒いでいたから、残りのヒナも巣立ったようだ。
巣立ち後の子を呼ぶ時、メスはニワトリに似た「ココ、コココ」という鳴き方をする。
以後、イソヒヨドリの姿を見かけない。
一度くらい遊びに来てくれても良いのになぁ〜〜〜。