06.8.2 撮影
スイス・ベルン州ブリエンツは 長さ15km、幅3kmの細長いブリエンツ湖のほとりにある町です。
標高566mのブリエンツから 2298mのロートホルン山頂へ向けて 可愛いSLが走ります。
ブリエンツ・ロートホルン鉄道は1892年6月に創業されました。
今ではスイス唯一のアプト式蒸気機関車となり「蒸気ロマンシチズム時代の生きた想い出」として
世界の鉄道マニアの憧れの的になっています。
14時15分 ”アイガー北壁の村グリンデルワルト”のサンスター・ホテルを出発。
ブリエンツの町を散策してからロートホルン鉄道駅へ行きました。
15時35分ごろ(記憶が曖昧) 蒸気機関車に後押しされて出発、山頂駅まで約1時間の旅です。
出発前 ツアーの男性が「運転手が最後尾では 前方に危険が生じた時 どうするの?見えないじゃない」
と大層心配なさっていましたが〜 出発時に乗員が1人 前に乗りました。ヤレヤレ、一安心です。
”ぶふぉ〜しゅしゅぽっぽ”と発車♪ 最初のうちは民家やお洒落なシャレー風のホテルの傍を通ります。
SLが庭先を走るホテルなんて 素敵だわねぇ〜〜〜。
林が途切れると トルコブルーのブリエンツ湖が見えます。↓
童心に返った乗客
下りの車輌と擦れ違う時は
歓声をあげます。
登りの機関車は
最後尾から押し上げて進み
下りの機関車は車輌の最前部で
加速度が増すのをセーブしながら
下りて行きます。
トンネルに入ると
機関車の排気が入ってくるので
窓を閉めたり開けたり
けっこう忙しいけど
それがまた愉しくもあるわけで・・・
”線路は続く〜よ、どこまでも”
滴る緑
爽やかな風
窓全開、心全開
メルヘンチックな開放感♪
焦らず急がず
ゴットン、ゴットン
ポッポー
白煙を上げて
SLは進みます。
16時ちょうど、給水ポイントのプランアルプ駅に着きました。蒸気機関車は多量の水が必要なんだそうです。
パンフレットに「山頂往復の消費水量1500Liter」と書いてありました。
アプト式の線路はレールが3本、真ん中のレールにギザギザの切れ込みが付いています。
機関車は最高勾配の斜度(25%)に傾けて設定してあります。
アプト式ってな〜に?
『2本のレールの真ん中に歯車レール(ラックレール)を敷き、
それに機関車の床下に設けられた歯車(ラックギアー)を噛み合わせ、急勾配の線路を登り降りする鉄道』
だそうです。
↑ 給水風景
ツアーの素敵な奥様は写真がご趣味だそうで高価なカメラをさりげなく提げていらっしゃいます。
蛇行する線路
線路のすぐ傍までやって来た牛ちゃん
手を伸ばせば届きそう。
この牛ちゃんたち
線路上に出て
SLを止めることもあるそうです。
前方にも1頭
線路脇にいますね。
↑ 氷河が遺したカール地形の縁をぐるりと半周しながら高度を上げていきます。
16時25分 ブリエンツ湖が大きく見えてきました。右上方には山頂駅らしい建物も見えます。
線路は右へと回り込みます。ゆっくりゆっくり終点が近付いてきます。
「魔女の爪」という高山植物です。
山頂駅から15分ほど登った所が頂上ですが
どこもここも高山植物の花盛り!
途中で私は 他のツアーの添乗員さんの
「これが魔女の爪です」の一言に惹かれてしまい
そちらのグループにくっついて説明を聞いていました。
ですから山頂へは行っておりません(-_-;)
魔女の爪
実はツェルマットのハイキングの時
ガイドの青年は「鬼の爪」だと教えてくれました。
魔女のほうが似合ってるじゃん!
名前は大事だよ〜♪(お金は大事だよのイントネーションで)
ロートホルンからの展望は アイガー、ユングフラウなどの山々が美しいと聞きましたが
当日は雲が多くて遠望が利きませんでした。午後遅いという条件も悪かったのでしょう。
山を眺めるのは午前中に限ります。
しかし、ロートホルンSLは素晴らしい乗り心地です。
右も左も眺望の利く天井までガラス張りのかまぼこ型の赤い車輌は 遊園地の乗物のように可愛い。
麓から山頂へ、山頂から麓へ、見上げる風景、見下ろす景色、アルプ(牧草地)は花盛り♪
瞬時も厭きることがありませんでした。