(続き)                     

 

帰りは住宅地側の歩道を歩く。街路樹を透かしてみる海が美しい。
それにしても良く晴れたもんだ。普段の行ないが良いと違うなあ!

家毎に綺麗な花が咲いている。北島のオークランドは気候温暖で 海からの風が優しく感じられる。
玄関前に「ようこそ」と日本語で書いてあるのは 日本でwelcomeの看板と同じかしら。

 

上の写真の黄色い花を撮影している時だった

「花と一緒に写真を撮ってあげましょうか」
と男性の声がした。
振り返ると
上品なご夫妻で 私と同年代とみた。
喜んで撮っていただく。

デジカメのシャッターの押し方が弱くて
再生してみたら写っていなかったので
「ここを強く押してください」
と言った私のストロングの発音が
和製英語だったにもかかわらず
「イエス ストロング」と愉しそうに
さりげなく私と同じ発音で肯かれたご主人。

再生して綺麗に撮れている液晶画面を
奥様に見せてさしあげる。
上手なアングルだったので
「アイム ハッピイ!」と言い添えると
とても喜んでくださって
あなたもホリデイか 私たちは3日目になる
あなたはジャパニーズでしょ とか話が弾んだ。「私は明日日本に帰ります」「ハバナイスホリデイ」
別れ際に写真撮ってもらったお礼を言って握手したとき
ご主人の口から出たのは「イッツ マイ プレジャー」だった。
なんとスマートな男振りだろう♪ 胸がキュン!とした。

ルンルン気分で近道して 町のメインストリート「ヴィクトリア通り」に出ました。

以前次女に

「海外旅行のとき本屋さんに行くと
面白いよ」
と教えて貰ったのを思いだして
書店に入る。

欲しいと思う本はなかったけど
バースディ・カレンダーを見つけた。

曜日とかは無いシンプルなもので
「誰の誕生日も忘れないために」と
表紙に書いてある実用的なもの

長年に渡って使えるアイデア商品だ。
ニュージーランド固有種の鳥が
2ヶ月毎に ちょっとユーモラスに
マオリっぽい絵で描かれている。
気に入ったので即 買いました。

 

さて次はメインの アンティークの店。初っ端からついていた。
店内に入って直ぐ指輪のケースを覗く。ど真ん中に燦然と輝くリングが 私のハートを掴んだ。
他のも見ようと一歩動いたが 引き戻された。指輪が私を呼ぶのである。
値札を注意深く確かめる。石はヘマタイトで 宝石としては上物ではない。しかし光といい ヴォリュームといい凄いのだ。
値段がこれまた凄い。どう凄いかって?チョー安いのである。

店主は中年の男性、 黙々と銀のカップを磨いている。
意を決して「この指輪を見せてください」と声をかけると 奥から奥さんが出てきた(^o^)
「ジス ワン」と言うと すんなり出してくれた。(どうして分かるの?ケースの上から指差しただけなのに)
それほど 目に付く指輪だったのです。
指に嵌めてみる。
「オウ ジャスト フイット!」売り手と買い手が感嘆の声をあげた。”身に付く”感触だ。”愛しいひと”指輪物語のゴクリの台詞だよぉ〜 「買います」

ふと奥さんの顔を見て見惚れた。女らしい慎ましやかな身振りの人である。
ギフトか?と包装を訊ねるので「マイン」というと 直接指輪を紙に包んでいる。

支払う段になって 私のクレジットが使えないという。
諦め切れない。日本円は?ときくと駄目だという。うーん困った。どうしよう〜

黙々と銀食器を磨いていた店主が一言 「銀行で両替すれば」
そうでした。すぐ近くにニュージーランド銀行があったのです。
銀行は先客が一人きり。
「イクスチェンジ プリーズ」と言ったら 今のレートは60円と丁寧に説明して両替してくれた。
急いで店にもどり ニュージーランドドルを支払って 指輪は私の物になりました。
レジを離れるとき 店主の磨いている銀食器が 一拭き毎に光り出すのが見え
そして 「ユーア ラッキー」 ぼそりと呟く低い声が聞こえた。

(イエス アイム ラッキー)声には出さず店を出た♪

あと幾つかアンティークの店に入りましたが 掘り出し物はありませんでした。
というより 正札の付いてない品物は 怖くて手が出なかったのです。
古書店にも入ってみました。紙質の悪い本が多く 私には内容の値打ちが分かりません。

興味深かったのは
不動産屋のこの貼り紙でした。
横文字の書き出しに混じって 
1枚だけ日本語で 目立ちました。

添乗員の下浦さんから話に聞いていた「フラットメイト」

こちらではアパートの一人暮しよりも
1戸建てを借りて 数人で住むのが安上がりだそうで
男女の区別なく 共同生活をする〜
ここで「キウイ」というのはニュージーランド人のことです。

電気水道代込みで
一人 週140ドル
と書いてありますね。

1ドル60円として〜
1ヶ月 幾らになるか
計算のお好きな方は どうぞ〜

 

ヴィクトリア通りを下って 朝の出発点に帰ってきました。
ワーフ前の時計は1時になろうとしています。

  

乗り場へ行くワーフの中にも土産物店が並んでいます。
小さなアンティークの売り場では 小柄なおばさんが 食事しながら店番してる。
ごちゃごちゃと古びた装身具に囲まれて サンドイッチなど食してるのは 妙な按配だ〜

初老の立派な男性がいる宝石店
男性の魅力につられて入ってみた(^^ゞ
パウア貝(アワビ)の細工物のペンダント、デザインが素敵だったので買うことにした。
「これって何のデザイン?」と聞く。”フィッシュ フーク”だと優しく説明してくれた。
フィッシュ フークって 何だったっけ
てっきり潮を吹いてる鯨だと 思い込んでいたので 分からない。

あとで 付いていた説明書を読んだら 釣り針だった。
ニュージーランドでは釣り針は幸運をもたらすものと考えられていたそうである。

フェリーは30分おきにあり 便利です。
帰りは晴れたせいかデッキは満員で座れませんでした。


オークランドに着きました。
フェリービルは茶色のお洒落な建物です。

 



無事帰ってきました。
「アダルト リターン」と明示されたチケットに 
行きと帰りのパンチが残りました。


ホテル前のコンビニに寄って バナナを買いましょう。
(なぜって バナナは疲労回復に最適だから)

 

 

ホテルの部屋からフェリーの埠頭を眺めながら 美味しいバナナを食べている所です。
出船入船 港町の喧騒が郷愁を募らせます。明日は帰国するぞぅ〜〜〜。

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このあと一休みしてから メインストリートのクイーン通りへ ショッピングに出かけました。

ダウンタウン・ショッピング・センターは品が良くてリーズナブルな値段で品揃えも良かった。
ここでやっと主人のお土産に 気に入ったセーターを買うことができました。
いくら探しても これはと思う品物がなくて 困っていたのです。

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☆ 愉快な冒険でした。
  小さな旅の小さなハプニングは 長い人生に鏤められた宝石の煌きに似ています。
  名も知らぬまま 心ふれあい 別れていく人々・・・
  自分で企画して実行した旅の醍醐味は こたえられません\(^o^)/

                      ( 02.5.20.)

                      

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