旅の5日目  (8月4日)

 6:00 モーニングコール 
 6:50 スーツケースをドアの前に出す
 7:00 朝食 
 7:30 ロビー集合

 専用バス(普通の観光バス)にてホテル出発。
 ”護送車”の愛称で慣れ親しんだ6輪駆動車とは天国と地獄の乗り心地。
 市街には日本の中古車が日本の塗装のまま走っている。ここは日本かと錯覚するくらい多い。
 30分ほどで空港に到着。

 8:30
 ペトロパブロフスク空港の正面入り口

入国した時は深夜で 何も分からなかった。
空港ロビーには喫茶店と売店があり
こまごまとお土産物が並んでる!
でも〜時間がない! ルーブルも無い!
今回のような買い物タイムの無いツアーは珍しい。
きっと地元の観光会社が土産物屋と提携していないのでしょう。
そのうち観光擦れしてきたら 嫌と言うほど買い物を薦められるようになる筈です。
そうなったら「むかしは素朴で良かったなぁ」と言うのでしょうか(^o^)
マフィアの影など微塵もありませんでした。



セキュリテイ検査に並びます。けっこう混んでいました。
うら若い女性が祖母らしい人とこまやかに別れを惜しんで抱き合い涙ぐんでいたりして 人情の厚いお国柄だなぁと羨ましく眺める。
あ!ひとさまに構ってはいられません。私たちのツアーもスルーガイドのカーチャ嬢とお別れです。
とっても初々しくて可愛くて誠心誠意務めてくれたカーチャ♪
タドタドシイ日本語も愛嬌で(カーチャの虎の巻のノートは 平仮名オンリーの手書きメモで埋まってた)
日本語よりも英語のほうが反応が早かったカーチャ♪
さようならカーチャ!「アイオ ミス ユー」「ミィ ツゥ」・・・皆で握手ぜめです。

手荷物のセキュリティ検査が無事済むと  検査済みの紙のシールをペッタリと貼られて搭乗口ロビーへ出ました。
搭乗口を通過すると外へ出て航空機までバスで運ばれます。バスを待つ間に写真を撮る♪

 

9:20 撮影

ここは空軍の軍事基地でもあるのですが
写真撮影は咎められませんでした。

乗り継ぎのウラジオストク空港では 
撮影しようとした男性が厳しく注意されていました。

 

 

 

 

 

    ↑ 街路樹などの根元に白いペンキのようなものが塗ってあります。
       この白い塗布物、昨年中国四川省でも見ました。あちらは亜熱帯気候
       亜寒帯のカムチャツカでも同じ目的で塗布してあるのでしょうか。      

      

           ↑ 携帯電話の普及はいずこも同じですね!

ソ連時代 カムチャツカは外国人のみならずロシア人にも完全に閉鎖された土地でした。
モスクワから遠く離れ その時差は9時間もある!
州都のペトロパブロフスク・カムチャツキー市は 重要な軍港であり ペトロパブロフスク空港もまた軍事基地。
我々の乗ったウラジオストク空港行きの民間飛行機は 
軍用機のカムフラージ格納庫群を横目に見ながら 長い長い滑走路を移動しました。
僻地であるといっても これはまた何と大らかなことでありましょうか?
滅多に見られない風景に ただただ目を凝らして眺めたのでありました。

 9:50 ペトロパブロフスク空港発 
     窓側の席だったので 海岸線や原野が良く見えました。シベリアの東端の緑が平坦に広がってた。
     途中機内食が出ました。カムチャツカ時間で正午になったのです。
11:00 ウラジオストク空港着(カムチャツカ時間では13時。2時間の時差です)
    滑走路の遠く草地の所に 背の高い黄色い花が一杯咲いている。どう見てもオミナエシだ。
    空港ビルは立派でした。人が沢山います。
    乗り継ぎはビルの外へ出て出発ロビーのある場所へ移動。
    なんで建物の中に通路がないんだろう?普通は外へ出ないものでしょ?
    しばらく待たされてから 搭乗ロビーへ入りました。ここも混んでました。
    ウラジオストク空港には免税店があると聞かされてましたので 楽しみにしていたのですが・・・
    1店舗だけ。他に小さなカフェがありました。

免税店はレジに居る女子店員1人の小規模なもの。品数も少なく選ぶ楽しみは無いようです。
で、いつものように連れ合いの土産に外国タバコを買うことにした。
英語で「ロシアで有名なタバコはどれ?」と聞いたら 女子店員はつかつかとタバコの陳列棚へ行き 指差してくれました。大柄に似合わず素早くて親切。
「ダラーOK」とのことで即、買いました。値段は普通、お釣りもドルでくれました。
チョコレートなどはモーレツ高かった! 添乗員の喜田さんが「カムチャツカの5倍はしますよ」とアドバイスしてくれましたが その通りでした。
ロシアは天然ガスなどの景気が良い分、物価が高騰しているんですね。

小さなカフェに入りペットボトルの水を買ったら ボトルに被せてプラスチックのカップが付いてきた。
え?ここで飲みなさいってことなの? 店先で?そうだ、ここはカフェ。素敵じゃん。
一つしかないテーブルに陣取り カップに水を注いで少しづつ啜りながら 聴き慣れない言葉をBGMにして 旅情に浸る。
あら?カップにアエロフロートの文字が! もしかしてあの悪名高きアエロフロート航空のグッズなの?
わー、ラッキー♪ 記念に持って帰ろうっと。

待ち時間が長いので退屈して 来るとき関空で買った文庫本「剣岳<点の記>」を読む。面白い。

14:50 ウラジオストク空港発(現地時間)
    ツアーの仲間とは座席がバラバラになりました。
    隣席の女性が陽気な人で次ぎから次ぎへと話が弾んで 座席は窓側だったのに眼下を見る余裕なし。
    彼女、沖縄から単身アバチャ登山ツアーに参加。目下のところ登山に嵌まり込んでいるとのこと。
    アバチャ登山は 山麓のキャンプを早朝に出発して 下山したのは午後10時!
    日暮れが遅いカムチャツカならではのハードな山行だったそうです。

15:00 関西空港着(日本とウラジオストクの時差2時間)
17:35 関西空港発 → 18:25 松山空港着
19:29 JR松山駅発 → 20:51 宇和島着(宇和島は終着駅なので安心して眠れます)

帰国後 ウラジオストク空港の小さなカフェで貰ったカップが計量カップになっていることを知りました。
「100ml」と「200ml」の目盛りが付いています。アエロフロート ロシアン エアーラインズの文字は英語表記か?
強く握れば砕けそうな薄いプラスチック製、日本なら使い捨てになりそう。
今でこそエネルギー景気に沸くロシアだけれど・・・
ソ連崩壊後の物資不足の時代を垣間見た思いがするのは 考え過ぎ?

  

 

       

      

                朝のリレー    谷川俊太郎

           カムチャツカの若者がキリンの夢を見ている時
           メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている
           ニューヨークの少女が微笑みながら寝返りをうつとき
           ローマの少年は柱頭を染める朝陽にウインクする

           この地球はいつも何処かで朝が始まっている

           僕らは朝をリレーするのだ
           経度から経度へと
           そうして言わば
           交替で地球を守る

           眠る前のひと時
           耳を澄ますと
           どこか遠くで目覚し時計のベルが鳴っている
           それはあなたの送った朝を
           誰かがしっかりと受け止めた証拠なのだ。


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