初めて赤道を越えたニュージーランドへの旅でした。
出発は2002年5月14日夕刻、関西空港から直行便でオークランド→クライストチャーチと乗り継ぎ
クライストチャーチで一般家庭を訪問、アフタヌーンティをいただいた後 一路マウント・クック国立公園へ。
途中”フェアリーの谷”辺りで日が暮れて 西空にかかる三日月のロマンチックだったこと!
旅の最初の宿はマウント・クック国立公園内にあるハーミテージホテル♪
頭上に南十字星が煌き 天の川が流れ 寒さも何のその・・・
明日歩くフッカー・ヴァレーに心躍らせていました。
翌日から快晴に恵まれ クイーンズタウン、ミルフォード・サウンド、クライストチャーチと 楽しい観光が続きました。 

そして いよいよ迎えた旅の7日目 5月20日「オークランド自由行動の日」です。

 


実は この日の計画について具体的なプランはなかったのです。
ガイドブックに
「パーネル通りに素敵なお店が並んでいる」
とありましたので
そこへでも行ってみようかな〜 と漠然と考えていました。

でも夕方 バスの車窓からパーネル通りを見たとき
『私の歩きたい所じゃないわ』
と何故か思ってしまったのです。

さあ 明日どうしましょう?

バスがホテルに到着しました。
添乗員の下浦さんは忙しい。
彼女から今後のスケジュールについての話を聞くまで
ロビーで待っている間に
壁際の各種のパンフレットの中にあった
フェリーの時刻表と出遭ってしまったのです!

7cm×14.8cmの小さなタイムテーブルが 私を誘いました。

そうだわ、明日はフェリーに乗って出かけましょう♪
一人旅は気楽です。

ホテルの部屋は3階(イギリス方式ですから実際は4階です)
眼下は港で 斜め向かいにフェリービルがあり 時折 出入りする船の汽笛が聞こえてきます。
ガイドブックと首っ引きで地理の勉強を始めました。 
時刻表の行き先が何処にあるか〜 所要時間は〜 運賃は〜
明後日は帰国日です。島はハプニングが起きて帰れないこともあるから駄目。
陸続きで近くて運賃の安い所・・・
あったぁ!
デヴォンポートだ。時刻表の一番最初に載っている。 
「片道15分で5ドル 往復8ドル」 ぴったりだよぉ。

5月20日 ゆっくりと朝食を済ませ 10:00のフェリーに乗るべくホテルを出た。

フェリービルからワーフへ出る。

最初の埠頭に行くと
どうも行き先が違うような〜

切符売り場に
デヴォンポートという表示が
どこにもない。

hという字が
幾つも入った単語が並んでいて
そこへ行くフェリーらしい。


向こうに もう一つ
埠頭があるよ
行ってみよう。

やはりワーフを一つ間違えていた。二つ目の埠頭に行くとデヴォンポートの表示があった。
タイムテ−ブルの運賃表に「アダルト ワンウエイ」「アダルト リターン」と出ていたので
窓口で聞かれたら「リターン」と言おうと気負っていたのに
「ワンウエイ オア カムバック?」と言われて拍子抜けした。
「カムバック」と答えると「8ダラーズ」と係嬢がにっこりしてくれたんで気を取り直して支払う。

 

デヴォンポートという表示をしっかり確認してフェリーボートに乗り込みました。
撮影するにはデッキに出なければなりません。
階段を上って舳先のデッキに出ると先客が一人。何だか むっつりとした黒い服装の青年です。
沖は暗く 驟雨が来そうな感じ〜
と思う間もなく雨がぱらつき始め 庇の下に座ったけど濡れるので 船室にもどる。
雨はかなり吹きつけているが デッキの青年は悠然と座ったまま・・・。
ほどなく雨が上がり またデッキに出る。
行く手をヨットがよぎる
つと立ち上がった青年が 船尾方向の写真を撮ってから私を手招きした。
(何なの?不安だぁ。 ”私の胃の中に蝶がいる”英語の表現にぴったり)

わあ!オークランド市街に虹がかかっている♪ ”サンキュー ソウ マッチ!”

  

10:15 デヴォンポ−トに着いてワーフ前の道路に出る所で もう一度この青年に呼びとめられた。
      写真を撮ってくれるというのだ。(寡黙だけど優しいんだわ この人)感激!

  

ご覧の通り 見事な腕前であります。
オークランド市街とベイブリッジと乗ってきたフェリーボートがバックにおさまっている。
自分の顔写真はあまり出したくない私ですが ご親切と腕前に敬意を表して載せちゃったぁ〜
その後 かの青年の後姿を撮影した私の下手な写真と比べてください(^^ゞ

ワ−フ前からメインストリートの大通りへは行かずに 右方向へ 海沿いを歩くことにしました。
カモメが小競り合いをしています。翼を膨らませて威嚇してるんです。

 

程なく突堤があり 砂浜に下りました。貝殻の美しい渚です。ブドウみたいな海藻が珍しい
童心にかえって貝殻拾いに熱中しました。

 

 

海沿いの並木道をしばらく進むと 
前を歩いていたグループが突然歩道を占拠して金属の球を転がし始めた。
スポーツの一種なんだろうけど 進路を塞がれた私はどうするのさ
芝生は雨の水分を含んでいて 嫌なのに・・・
仕方がないからベンチで小休止して ヨットを眺めます。お菓子を取り出して美味しくいただきましょうか。

待ったところで”球転がし”は当分終りそうもないし 芝生を歩いて 通りすぎる。

 ヨットクラブの施設が現れた。

 

この近くに公衆トイレがあり 豪快だった。
セメントで固定された代物に、水を流す設備は懐かしい鎖のチェーンを引っ張る。
以前読んだ本に どこかの国で「チェーンを引くと頭上から どっと水が落ちてきた」
という恐ろしい話があったっけ。
まさか そんなこと有る筈もないけど へっぴり腰で遠くから引いてみる(^o^)
心配無用 ちゃんとしたトイレでありました。お世話様になりまして有難うございました。

アメリカズ・カップ開催海域を遠く望む場所に ちいさなパークがありました。
おりしも 一組のご夫妻が入ってこられた。

 

時計は11時過ぎを示しています。
時計塔をはさんで もう一つのベンチに座った私は 海を見ながらドリンクタイム
心がのびやかになりますねぇ。
そうだ、ヨットをバックに写真をお願いしよう。
お二人の所へいって びっくりした。かなりのお年を召した方だったのだ。でも今更引き下がれない。
何度もデジカメのシャッターを押す説明をして(シャッターを押すだけ なんだけど)
ようやく撮影が終ってほっとした。ここしばらくカメラとご縁のない方だったんでしょうねぇ。
ご無理なお願いを致しまして申し訳ありませんでした。でも貴重な思い出になりました。

左前方の丘の上からパラグライダーが幾つも飛び立っています。
海風に乗って 随分楽しいだろうなあ

お二人も戻って行かれたし 私も引き返してショッピングにいくことにしましょう。

    次ページに続く

                       

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