08.8.1

  旅の2日目  (8月1日)

 6:15 モーニングコール。 録音テープの声ではなく女性の肉声で好感が持てた♪
 7:15 朝食(セットメニュー) 
    クレープにジャム。卵3個の目玉焼き。コーヒーor紅茶。
    紅茶はお代わり自由のサーバー形式で淹れてあったが コーヒーの出し方が変わっていた。
    テーブルのシャンパングラスにインスタントコーヒーの顆粒が山もり盛ってあり(湿っ気ないかなあ?)
    各自グラスに入れたお湯が来るので 自分でコーヒーカップにコーヒーを入れる。
    お湯の温度が低くて 玉露を淹れるわけじゃないんだから 旨くないと思うよ。
    私は紅茶党なので 関係なかったけど。

    食卓の一輪差しにチシママンテマ(千島マンテマ)の花が活けてあった♪
    わーい、北国へ来たんだと強く思う。だって北アルプスでは見られない花だもん。

    「乗物酔いの薬は飲んだほうが良い?」と添乗員の喜田さんに確認すると「是非!」の返事。
    忠告通り飲むことにした。
    
 8:00 ロビー集合



← ホテル・アンタリウスの玄関に
  ツアーバスが来ていた。
  頑丈な車だ!
  
  抜けるような青空♪
  風も無し。
  ハッピーな1日が始まる〜
  そんな予感がするよぉ。


 

     ↑ ドライバーと打ち合わせ中の「スルーガイドのカーチャ嬢」

ツアーバスの構造は 運転席と客車が分離していて 牽引して走る。運転中 両者の連絡は不可能。
用事がある時は車を止めてドライバーが下車して話しに来る。
車高の高い6輪駆動で定員20名くらい、タイヤの直径は1mもある!
乗るときは
ドライバーの手に縋って”ヨイショ”と弾みをつけて上がらねばならない。
乗ってみて分かったことだけど
窓際に見える木の板は 走行中乗客がぶっ飛ばないために縋り付く安全バーなのである(-_-;)
そして
これまた あとで分かったことだけど 運転席の方は 全然揺れないというから不思議だ。

6輪駆動車で 本日のフラワーハイキングのヴァチカゼツ高原へ向かう。
車は モーレツ揺れた!町中の舗装路でさえガタガタ揺れる。
郊外へ出れば舗装路などありはしない。ガタガタドッシーン土埃を上げてまっしぐら!ぶっ飛ばす。
人間を乗せていることを忘れてんじゃないの?
(いいえ、運転席は揺れないのだからドライバーのあずかり知らぬことなんです)
何方かが”護送車”だと素敵なネーミングを考え出した。う〜〜ん、ぴったり!アッタマ良イィ。
もともとは軍用の兵隊運搬車だかトラックだかを改造した車らしいという。悪路には うってつけの車輌でござんす。
酔い止めの薬が効いてきて 眠いし揺れるし バーに掴まらなきゃなんないし(-_-;)
救いは只一つ、スルーガイドのカーチャ嬢がモーレツ可愛かったこと♪
彼女のたどたどしい日本語と初々しい美貌に 大いに慰められた”護送車初体験”だった(-_-;)

10:30 ヴァチカゼツ高原に到着。車から下りた時点で既に疲労困憊していた(-_-;)
    でもさ〜、空は青く澄み渡り 氷河が遺した雄大なカールを抱く山 のびやかな草原と白樺林
    嗚呼〜〜 絵に描いたような高原の景色だわさ。心が洗われるぅ\(^o^)/

    

       ↑ ベースキャンプから望むヴァチカゼツ山とカール(氷河が遺した谷)

  

   

 ↑ 蚊除けの防虫ネットを被ってフラワーハイキング出発準備。ネットは白よりも黒いほうが視界良好です。

       


林の中は見通しが悪いからか 
ガードマンと犬に先導されて歩きました。
犬は藪に入ったり突如飛び出してきたり 周囲を嗅ぎ回ります。
ひょっとしてクマが出ることもあるのかしら?

ヴァチカゼツ高原の標高500m足らず
花の季節はあらかた終わっていて 
日本の高山帯でもお馴染みのクルマユリ(車百合)が全盛でした。

珍しかったのは ナガホノシロワレモコウ
紅い蕾の穂から白い花がせり出して咲き 白穂となって垂れます。


   

    ナガホノシロワレモコウ                     チシマリンドウ

草原には「スイカズラ」が実を付けていました。日本のスイカズラと違って蔓性ではなく小低木です。撮影したかったんですけど 熟した実が何故か無い。
それもその筈 先頭を行くガードマンさんが善意で採り集めて あとで皆に配ってくれました。
甘酸っぱくて ブルーベリーとは違った味で美味しかった。
帰国してから分かったことですが この実は「スイカズラ科のクロミノウグイスカズラ」で 北海道のハスカップと同じものらしいです。
ブルーベリーは丸い形をしており スイカズラは歪な楕円形をしています。
ヴァチカゼツ高原のブルーベリーはまだ熟していませんでした。

   

                    ヴァチカゼツ山と原野とヤナギラン

       

草原は手付かずの原野でしたが ベースキャンプのために切り開いた道路は 人が歩くだけで埃が舞い上がる。
火山灰混じりの細かい土
天気が良くて防虫ネットは不要なんだけど 皆さん埃除けと日焼け防止の気休めに被っています。
靴の汚れは黒靴が白靴に変身したほど!
路傍のヤナギランが埃まみれで可哀相だったぁ。

キャンプに帰って遅めのランチ♪
けっこう歩いてきたので空腹でもあり〜美味しかったですぅ。
1人1個づつのピロシキ!手作りの素朴さが家庭的で温かくて もっと食べたかったよぉ
(美味という点では むかし長女が中学生のころ 家庭科で習って作ってくれたピロシキの方がずっと上だけど
まーー、なんといっても初めての本場の味ですしね)

 

午後2時過ぎ ヴァチカゼツ高原を後にしました。
平地に出るまでは山道を”護送車”でガタガタドッシーン 縦揺れ横揺れ斜め揺れの重労働!
平坦な道路では 人権無視のぶっ飛ばし! でも人間てエライね。馴れたらそれもまた愉しい(-_-;)
3時半ごろ イテリメン村に到着。
広場に入ると良い香りが漂ってきました♪ ダケカンバを燃やして辺りを清めているのです。


イテリメン人
カムチャツカの先住民族のなかでも
最も古い民族だそうです。
今なおイテリメン語を話し
伝統的な習慣や生活様式を守り
狩猟や漁業を行なっている人々は
半島の西海岸で暮らし1500人くらい。
イテリメン人とロシア人の間に生まれたものの
先住民族として名乗っていない人は
9000人にも及ぶとか。

彫りの深い美しい顔立ち
伝統の衣裳は
トナカイの毛皮をなめした裏革に
精密な飾りを施したもの。
服の内側は
トナカイの毛並みが完全防寒の豪華さです。
情熱的な踊りでした♪

      

 

   ホテルの夕食  


クレープ イチゴジャム添え(美味)
カムチャツカの郷土料理(ギョーザに似てる)
イカと野菜のマリネ風(ピンボケで写真無し)
コーヒーor紅茶

茹でギョーザ風の料理は
熱々だったら美味しかったと思うのだけど
残念 冷えて固くなっていた。
粉もんの冷えたのって悲惨。
電子レンジでチンしたかったよぉ(-_-;) 

イカのマリネ風は生臭くて
私の好みとは程遠かったデス。

                     

これ以後 ホテルの食事は期待しないことに決めたので カメラも持参しなかった。
カムチャツカでは ビールを冷やして飲む習慣がないそうで
テーブルのお向かいの男性が麦茶みたいなペットボトルの飲み物を置いているので
何だろうと思ったら それがロシアのビールだったのにはオドロキ(-_-;)
ま――、麦茶もビ−ルも 原料は麦ですわいな。

ホテル・アンタリウスは温泉郷にあります。
ヴァチカゼツ高原の土埃の道と”護送車”でもオッカナビックリの悪路の山道に疲れた体を温泉でほぐしましょう。
屋内続きに温泉プールへ行けるので 水着の上にタオルのガウンを羽織って出かけました。
水着姿を見られたくはないけれど
暗くなるのは午後11時近く、短気な私はそんなに待ってはいられません。
まだ明るい10時前 プールに入りました。お風呂の適温よりずっと低いお湯です。
プールの縁以外は水深1m80cmもあります!
縁の足場だって胸近くまでの深さ、踏み外すと溺れそう(-_-;)
まるでスケート場の初心者がリンクの縁を伝い歩きするように そろそろと移動しました。
同じように伝い歩きしてる人と擦れ違う時は怖かったですね。一応泳げますけど長年泳いでないんですもの。
プールではまだ少年っぽい青年が二人、近くに来てふざけ合い縺れ合って泳ぎ、体格がでっかく肉付きが良いのでイルカがじゃれ合ってるみたい。 水しぶきがジャンジャンかかって 無邪気というか傍若無人(-_-;)
その二人の友人らしい青年が着衣のままプールサイドにいて 私に向かって朗々と話しかけてくる
黒い服装の好青年で美声♪
とりあえず英語で答えてみたが 通じない。中国人かと聞いてるみたい。何やら長々と話す。
チャイニーズではない、日本人だと言っても通じない。
そのうち うら若い美人もプールサイドにやってきて加わった。彼女も衣服を着たまま。
青年に「ガールフレンドか」と聞いたら 美人のほうが即座に「違う」と強く手を振った。青年は意気消沈の様子をみせました。
少なくとも「彼女はあなたのガールフレンドか」という英語は通じたわけです。\(^o^)/
カムチャツカの旅行中 曲がりなりにも友好的な会話をしたのはこの青年だけ。思い出を有難う!

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