08.8.3

  旅の4日目  (8月3日)

 6:00 モーニングコール 
 7:00 朝食 
 8:00 ロビー集合
     本日は川下りなので虫除けグッズ必須とのこと!
     防虫ネット、防虫スプレー、腰に提げるベープマット蚊取りを持参する。

早朝から小雨が降っている中 ホテルを出発した。
今日ばっかりは雨天を覚悟して雨具も完備。
西海岸へ注ぐヴィストラヤ川は一昨日のバチカゼツ高原よりも ずっと遠いらしい。
単調な未舗装の道路を”護送車”がぶっ飛ばす!幸いなことに 山道ではない。
雨のせいか蚊が車内に進入している。デッカイ!刺されたら穴があきそう(-_-;)
動きが鈍いので ガラスに止まったヤツを指で潰す。う〜ん、快感! ザマーミロざんす。
酔い止めの薬に抵抗力ができたのか眠くならない。霧も薄れてきたし 窓の外を眺める。
小さな集落を1箇所見ただけで あとは低い山と原野が続く。
あっ、鳥が飛んでった。黒と白の〜カササギみたいな鳥♪
カムチャツカの山野では小鳥や蝶を見かけない。カモメなら沢山いるけど。
”護送車”のドライバーが道を間違えて 原野の隘路へ右折した。車窓を木の枝が擦る。
目を凝らせば 木苺やブルーベリーの野だ♪
かなり進んで 白い自家用車が止まってる少し広い所へ出た。そこで やっとUターン出来た。
自家用車はベリー摘みの家族らしく 手に籠を持っていた。
社会主義の遺産で「土地は私有制でないから 森でも山でも木の実やキノコは取り放題」なのだという。

10:50 河畔のキャンプに到着。雨は上がりました♪

      

          


ランチの時間になるまで
周辺を散策。
ここでもフラワーガイドが付いて 
各自イヤフォーンでカーチャの通訳を聴く。

足もとの草叢には
ブルーベリーの実があちらにもこちらにも♪
カーチャが たどたどしく
「クロマメノキ」と通訳しましたから
ツツジ科スノキ属でしょう。   
日本の高地にも自生してます。
恐らく同属だと思います。
美味しかったですよぉ〜〜〜。


最初のうちはブルーベリーの試食に忙しかった皆さんも そのうちに食べ厭きて 見向きもしなくなりました。
そんなに食べられるものじゃないですね(^o^)
でも〜カムチャツカの原野で野生のブルーベリーを摘んで食べた思い出は 生涯の宝物です!

  



ハナゴケ
地衣類です。白くモジャモジャしてます。

カーチャは
「トナカイの食べ物」
と通訳しました。

逞しいバラの実がありました。
きっとタカネバラの実でしょう。
実のように花も大きかったのかしら
咲いてるのを見たかったわぁ!


    

     ↑ タカネバラの実                          ↑ 千島マンテマ

12:00 キャンプの大テントで昼食(写真撮るの忘れた)。何を食べたか当然忘れました(^^ゞ
    昼食後いよいよ2時間コースの川下りです。一同救命胴衣を着けます。
    釣り竿の使い方など習ってから ゴムボートに順次乗り込み出発となりました。
    ボートの中央に漕ぎ手の船頭さんが座り
    客席はといえば
    細い板を渡しただけの座席はまだしも ボートの縁に腰を下ろすのは不安定極まりなし(-_-;) 
    おっかなびっくりの乗り心地に釣りどころではありません。
    釣り竿の操作を覚える時点で自分の指を釣ってしまった私は ハナから全くやる気無し(^o^)      


いざ出発!
ツアー総員20名 4隻のボートに分乗しました。
どこかのボートで歓声が上がると 
釣れたってことがわかります。
私たちのボートは不熱心な人が多く・・・
一度だけ添乗員の喜田さんが
イワナのでっかいのをヒットしたんですけど
水面から引き上げる時点で 逃げられてしまいました。
逃がした魚は大きい!! 

下るに連れて
ヴィストラヤ川は大河の趣きを見せてきました。
水が澄んでいるため川底が近く感じられましたが
渦巻く流れは速く 
水深は相当深かったはずです。


     

午前中の雨天は嘘のように晴れて 峨々たる山並みが姿を現し 川岸からは時折り小鳥の声がする。
世界地図のカムチャツカ半島の位置を頭に描きながら 目の前の景色を眺める。
水はあくまでも澄んで 川底の円やかな石に苔がうっすらと見えます。 
現実のこととは思えない恍惚のひととき♪ カムチャツカに来て こんなにのんびりするなんて思わなかった。
”護送車”の騒々しさと違って ゴムボートは慣れてくると川に抱かれたような安らぎがあります。
釣り糸は適当に垂らしたままで 周囲の景色を満喫です♪


ゴムボートに何匹も
虻(あぶ)が飛んできた(-_-;)
大きい!
払っても逃げないので
止まってるヤツに
防虫スプレーを吹き付けてやった。
死ぬ筈もないけど 気休めに。
添乗員の喜田さんが
「それって苛めてるだけだと思いません?」
と言う。
わ―、素敵なセリフだ。ドンピシャ
私も一度で良いから
そんな気の利いたこと言ってみたいわ。


      

       ↑ 釣り上げたイワナをそのまま 私たちのほうへ見せに来るところです。よく逃げませんね!
途中、支流が流れ込む場所で 休憩の上陸をした。
船頭さんの1人が 釣り竿を垂らすと大きなイワナ(岩魚)が釣れました(上の写真)
きっと客の釣果が少ないので イライラしてたんじゃないでしょうか。
ルアーって不思議ですね。ピラピラ、ピカピカしたステンレスだか真鍮だかの薄片に魚が騙されるなんて。
カムチャツカのイワナはデッカイです!釣った魚は直ぐリリースします。
「そんなことして次から釣れなくなりませんか」 と添乗員の喜田さんに聞いたら、「魚に学習能力はないみたいですよ」ということでした。

15時30分 下船地点に到着
河原には 愛しの”護送車”が待っていて ドライバーさんが所在無げに石の上に腰を下ろしていました。
”護送車”の強みは どんな所にも乗り入れ可能なこと。
全員揃ったら 河原から出発です。
往路は霧と小雨で視界不良でしたが 帰りは快晴♪ 遠くの山々も見えて観光気分。これで揺れなければねぇ。
それにしても 北国なのに針葉樹が見当たらないのは不思議。どうなってるんだか?
左手に コリャーク山が秀麗な姿を現しました。
昨日見たアバチャ方面からと違って雪が多い。光線の加減も最高!
前景は一面のガラガラソウの黄色とヤナギランのピンクの花盛り。すっげぇ!凄過ぎる!
撮影したいのに ”護送車”の振動と窓ガラスの汚れに阻まれる。
あれよあれよと見送ってしまったシャッターチャンス(-_-;) あ〜あ、残念、口惜しい。

16:10 道路から畑中の道へ左折してダーチャに到着。
「ダーチャ」とは郊外にある「菜園付き別荘(木造小屋)」のこと。日本の別荘のイメージとは違って 畑も家も手造り。
6割の人がダーチャを持っていて 食糧として重要なジャガイモはダーチャで1年分の収穫をします。
余分にとれた野菜は自由市場で売るそうです。
訪問したダーチャは牧場の近くにありました。
夏の別荘ですから 家は小さいけど2階建て、クマ対策に寝室を2階にするためです。
畑や花壇や野菜の温室などがあり 別棟のサウナと 木の香漂う新築のゲストハウスもあって豪勢なものでした。
ご当主は地質学者だったとか、奥さまは英語が堪能で 愛嬌たっぷりの上品な方♪  
7月8月をここで過ごし9月には自宅へ帰るそうです。夏期休暇は農作業期間でもあるんですね。
興味深かったのは 
温室で栽培しているトマトやキュウリは自宅の暖房した室内で種子を播いて苗を育ててから ダーチャへ持って来ると言うこと!
ダーチャにきてから種子を播いていたのでは 8月末までに実らないのだそうです。
庭にミニミニりんごの木が1本あり まだ青く小さい実は 9月までに成熟するのかしらと心配したくらい。
9月初めにはもう冬がくる厳しい土地なのです。

   サウナ


菜園には
数多くの野菜が育ち
お花も一杯咲いて綺麗
お天気が良いので
北国とは思えない緑豊かな風景。
でも スルーガイドのカーチャは
「ダーチャの生活は 8月末までです」
と言う。
あと1ヶ月で終わっちゃう緑なんですね。
きっと
朝夕の冷え込みが急激にくるのでしょう。

短い夏を精一杯楽しむためでしょうか
道端などで鉢物の花を売ってるのを見ました。
至る所に高山植物の花が
雑草並みに咲き乱れてるというのに!

       サラファン

奥様手作りのクッキーやケーキやジャム、美味しかったですねぇ!
庭の井戸水を汲み上げてサモワール(ロシア式湯沸し器)で沸かしたお湯で淹れた紅茶も最高だった!
スルーガイドのカーチャ嬢に「どこか木苺のジャムを買える所ない?」と聞いたら
「ジャムは森へ行って 木イチゴやブルーベリーを摘んで 自分で作るものです」と作り方を教えてくれた。
(作り方ぐらい知っているけど 日本じゃ摘む森がないのよ)一同黙って聞きながら 鼻っ柱を折られた感じでニの句が次げなかった。
そうなのよ!森へ行って摘んで来て自分で作るのが保存食なのよネ。

ゲストルームの壁に飾られていた民族衣裳は 「サラファン」だと説明がありました。
ロシア民謡の歌詞でしか知らないサラファン♪
首都モスクワから時差9時間も離れたカムチャツカでロシア文明の片鱗に触れるとは 感激!(大袈裟?)
心憎い演出ではありました

      ダーチャの裏手から望むコリャーク山(3456m)とアバチャ山(2741m) 8月3日18:20 撮影 

             ↓ 反対方向の眺め 


8月3日の夕食は ホテル・アンタリウス最後のディナー、初めて布のナプキンが付いた。
白い綾織模様の重厚なナプキンだった。
私は美味しい料理をより楽しむためにお酒を飲むので 今日までその必要を感じなかったけれど
ロシアの最後の夜ぐらい 料理はともかく 思い出作りにウォッカをオーダーすることにした。
値段を聞くと 飲み物中もっとも安い。
運ばれてきたのは 透明ガラス製お銚子タイプ瓶とショットグラスの1対
可愛くて小さくて 柔らかい曲線がロマンチックな女性向き♪
気が利いてるよ〜〜〜 さすがウォッカの国でやんすナ。
メニューはコロリと忘れたが ウォッカの記憶は強烈だ。グラスの口触りまで覚えてる。銘柄はもちろん不明。
口中が燃えそうに強いと周りの人が言うので 最初は舐める程度にした。無味無臭無着色。何ともない。
次第に大胆になって飲んだ。さしたることも無かった(^o^) 

食後 フロントに寄って例の陳列ケースを見たら キーホルダーが補充されていたので買いました♪
皆さんも残りのルーブルを有効に使うべく 絵葉書など買っていらっしゃる。
物価は日本と似たようなものです。
どなたかが「使い残りの小銭はカーチャに寄付しよう」と名案を考え出した。ええ、そうしましょう。
明日は帰国、正味3日間のカムチャツカだったけど 充実してたなぁ。

部屋に帰ってスーツケースの整理をして シャワーを浴びて
さあ寝ようとベッドに入ったものの・・・ ウォッカの興奮冷め遣らず! 寝付けない。
ウトウトすると 亡霊みたいな人々が場末の小路に現れる。これぞ”ナイトメア”!
仕方なくテレビをつけた。
カムチャツカでは NHKの海外放送は音声が英語の吹き替えである。
ニュースでも教育番組でも いつも見慣れたアナウンサーやタレントが達者な英語でしゃべる。変な感じ。
深夜番組は 鳥取県浦富海岸の漁師の老夫婦の1年をやっていた。
景色の美しさ、生活の知恵、自然の厳しさなど 英語の聴き取りは半分ほどでも なんとか理解できる。
結局、最後まで見た。旅の初日と同じく又しても夜更かし(-_-;)
でも・・・カムチャツカの午前3時は日本時間の午後11時、夜更かしって感じがしないのよね。

気分転換のお蔭でその後は すっきり眠れたけど モーニングコールは6時だっちゅうの!(-_-;)

 

     カムチャツカの旅のTOPへ                          旅の最終日へ

 

     HOME