季節の風 秋ー1


予土線に乗った…目的はなかった
車窓の棚田はヒガンバナの朱に縁取られて黄金の漣が眩しい

「坊主、どこへ行くんじゃ」はしゃいでいた少年に
年寄りが声をかけた。
「高知へ遊びにいくが。なあ、お母さん」
ええなあ〜そのあと年寄りの呟きは聞きとれず〜

明るい少年の声が車内に響いた
「じいちゃん、酒臭いのう。身体に悪いきに
呑み過ぎんように気い付けや」


         


 


槍ヶ岳から穂高連峰への縦走路
大キレットの”飛騨泣き”を辿る

私は 岩に貼り付いた一匹の蝶

遥か下から霧が押し寄せ

今年の花を終えたシコタンソウは
次の世代のために 全身を踏ん張ってしがみついている。




季節の風 秋ー 1      

HOME    季節の風 春 季節の風 夏 季節の風 冬
花日記 閑話休題 エッセイ  山旅・歩き旅